荻原:山村さんはアイペットさんに入る前、大手の保険会社に勤務されていたんですよね?
山村:そうなんです。保険会社に16年間勤めていました。周囲に起業している友人が多かったことから、だんだんと自分で大きな裁量を持って働きたいと思うようになり、転職活動を始めました。
その中で、エージェントから紹介されたのがペット保険のアイペットでした。前々からペット保険は業界で話題になっており、市場ニーズがあると思っていたんです。従来の保険とは違う新しいサービスですから、それを世に広める仕事というのは面白そうだと感じました。営業のキャリアが長かったこともあり、大きな成果を出し影響力を持つことができるのはこの会社なんじゃないか、と直感したんです。そこでアイペットに入社することにしました。
荻原:山村さんも勇気ある決断をなさったと思いますし、採用する方も勇気が必要だったと思います。当時のアイペットさんは社員が100~150人くらいで、次のステージに突き抜けようとしている時期だったと思います。山村さんのような経験も能力もある方に入社頂くと、そんな方を自社でマネジメントできるかどうか、そう考えることもあったと思います。
山村:私の入社当時は、組織がまだ出来上がっていなかったので、期待されていると思って入ってみたら、完全にほっとかれたんですよ。入社して1か月、全くやることがなくて。こんなことなら別の会社にすればよかった、と泣きたい気持ちでした。
しかし、そんな状況を起業した友達に話したらバカにされたんです。「仕事は自分で獲りに行くものなんだよ」と。その言葉に大きなショックを受けました。また、同じころ、社内で若い社員が年長の社員に対しておもいっきりぶつかっているところを見たんです。
その時「あ、いいんだ」と思ったんですよね。ここはベンチャーなんだから、おかしいと思うところはおかしいと言っていい。保険会社出身の社員として、自分が改善できるところはしていこうと。そこから働き方が変わり、正しいと思うことは上長にも積極的に提案をしていくようになりました。
荻原:前職で活躍した方にジョイン頂き、存分に活躍してもらうことは重要ですよね。私たちも管理職を新たに迎えるとき、どんな準備をすべきか毎回考えています。経営陣で合宿して、その人に期待することを出し合ったり、僕らが事前に用意すべきことは何かを整理したりしました。