日本社会の課題を解決するマーケティングソリューションを。データサイエンティスト出身のプロダクトマネージャー。

仲間・文化
2019.05.30
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自分の仕事に誇りを持ち、専門性を追求する。「Professional」では、各領域の専門家に迫ります。今回は、周囲との協調を重んじ、プロダクト開発を成功に導くプロフェッショナルの吉田岳彦さんにお話を伺います。

▼インタビューの模様を動画でもご覧いただけます。

Professional_吉田 岳彦
https://www.sold-out.co.jp/movie/20190524_0

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吉田 岳彦(よしだ たけひこ)
株式会社テクロコ プロダクト開発部 プロダクトマネージャー
プロフィールをみる
吉田 岳彦(よしだ たけひこ)
鳥取県出身。2018年テクロコ入社。総合広告代理店やweb専業広告代理店などでエンジニアからデータ分析、営業など幅広く経験しつつ一貫してデータストラテジーについて考察。テクロコではATOM、ライクルといった広告商品、ソーシャル商品を活かしたコミュニケーションプランの開発に携わる。

マーケティングを一気通貫するプロダクト開発を

ー吉田さんの現在のお仕事を教えてください。

株式会社テクロコで、プロダクトマネージャーをしています。お客様の課題解決につながる機能や、より簡単に使っていただくためのシステムを考え、エンジニアと協働して開発を進める役割ですね。プロダクト開発全体の進捗管理を担っています。

具体的に行なっているのは、「ATOM」というプロダクトの開発です。もともとATOMは、広告配信実績をためてレポーティングをする機能を担った製品でした。しかし、通常の広告配信は、広告代理店がお客様に提案して納得してもらうところから始まり、シミュレーション、配信、運用をしてようやく、実績をレポートにするところに辿り着きます。ATOMが担えるのは、マーケティングの中でも最後の一部だけだったんですよね。

そこで、2018年に入社してから、まずこのプロダクトをより良いマーケティングソリューションにするための方向性を考えました。今は、ターゲットの設定から市場の分析、マーケティングの方向性といったマーケティング全体をより円滑に進められるようにATOMの機能を拡張しています。最終的には一つの製品でマーケティングを完結できるようなプロダクトを目指したいと思っています。

——業務を担う上で、吉田さんの強みはどのような点でしょうか。

僕はこれまで、エンジニアや脳・神経科学の研究者だった経験があるので、データのため方や使い方、分析の仕方については知見があります。例えば、データベースの設計や活用方法について詳細をエンジニアと話してきめています。プロダクトマネージャーは人によって背景が違い、同僚には営業出身の人もいます。お互いの背景や知見をプロダクトの開発に活かしていければと思っています。

 

地方の過疎化や経済格差、日本社会の課題を解決したい

ー吉田さんがテクロコに入られるまでのご経歴を教えてください。

僕はもともと、人がものを買う動機に関心があって、大学院や研究所で脳と心理の関係について研究していました。ただ、脳のレベルまで深掘りしてしまうと、人の行動との関係性を解明するのはかなり難しいんです。学ぶうちに、もっと直接的に人の行動を知りたいと思うようになりました。そこで別のアプローチをすることに決め、研究で行なっていたデータ分析の知見を生かし、データサイエンティストに転職しました。

何度か転職を繰り返したのち、ある総合広告代理店に入社しました。広告は、視覚から人に影響を与え、商品を買う動きに繋げるもの。そういう意味では、広告などのマーケティングも心理学と似ていると思ったんですよね。

ところが、入社してみると「今日から君は営業だ」と言われました(笑)。営業経験はなかったものの、思いきって飛び込んだことが自分にとって転換点となりました。

お客様と会う中で、エンジニアとして思い描いていた理想像と、お客様が望む理想とがかけ離れていることに気付いたんです。

お客様がマーケティングで困っているのは、実はちょっとしたことなんですよね。それまでは、エンジニアとして製品を作って市場を生み出すことにフォーカスしていたのですが、お客様が理想的なマーケティングができないのは市場がないからではなく、小さな困りごとが積み重なっているからだということがわかりました。

それからは、お客様が細かいことを気にせずに済むような、簡単に使えるマーケティングソリューションを目指すようになりました。それで、プロダクト全体の設計を行うマネージャーの道に進んだんです。

—そこから、なぜテクロコに入社されたのですか。

一つ目の理由は、人がものを買う動機を解明するために、もっとたくさん人がものを購入するバリエーションを見たいと思ったこと。もう一つは、地方の過疎化や経済格差など、日本社会が抱える課題を解決したいと思ったことです。

僕の地元の鳥取県は、日本で最も過疎が進む地域で、高齢者が多く若者がいないんです。人がいなくなると、お金を使う人が減って商店はどんどん潰れていきます。大都市と地方には経済格差が生まれ、それが都市への人口の集中を生む原因になっていく。大都市と地方との格差を、自分の知見を活かせるマーケティングの分野で改善したいという思いがありました。

自分が解決したい課題について考えたとき、地方の問題に即したソリューションをつくれるのはソウルドアウトなんじゃないかと思ったんですよ。知人を介して現CEOの荒波とお会いさせていただいて、改めていい会社だなと思いました。これまでの知見を活かしてやりたいことができるのがテクロコだったので、入社することにしたんです。

 

集客をより簡単にできるマーケティングソリューションづくり

—今、手掛けている仕事で大切にしていることは何ですか。

プロダクトの方向性として大切にしていることは、集客を簡単にできるようにすることです。お客様のモチベーションや行動は商品性によって変わると思いますが、店舗の大小に関係なく、どの企業にも共通して求められているのは「集客」だと信じています。

その上で、使いやすさを追求していますね。企業の方からすると、細かいことを考えなくても広告を配信したらお客様が来る、というシンプルな構造が理想的だと思うんです。予算を効率的に使える、便利なマーケティングソリューションを作りたいと思っています。広告以外の領域にも範囲を広げ、様々な側面から集客の手助けができるソリューションを開発したいですね。

—吉田さんがプロダクトマネージャーとして大事にしていることは何でしょうか。

知識と協調を大事にしています。

例えば集客に関わる課題は、業種や企業のステータスによって変わります。プロダクトマネージャーは、課題自体を知り、それにマッチした回答を提案することが求められます。そのためにまず、知識を効率的に貯めて、柔軟に使えるものにしておくことが重要だと考えています。

また、プロダクトマネージャーは他者の協力なくしては何もできない職業です。そのため、他者と協調していくことが大事ですね。プロダクトを作ってくれるエンジニアや、買ってくださるお客様に協調してもらうために何ができるのかを常に考えて動いています。

社内では、勉強会などを通してプロダクトマネージャーがどういう役割なのかを理解してもらい、立ち位置や求められる成果物を定めていきたいですね。そうすることで、より良いプロダクトを生み出せると思っています。

 

課題を発見し続け、前進を止めない

—最後に、今後の展望を教えてください。

今後は、使いやすさを追求した集客のためのソリューションを作り切りたいです。ただそのためには、解決すべき課題がたくさんあると思っています。

例えば、お客様も課題を解決したいという思いはあるものの、課題が見つからない、見つけ切れないという課題があるのではないかと思っています。そもそもどこに、どういった課題があるのか把握できる仕組みを作っていきたいですね。

課題は私たちの財産だと思っているんですよ。困っていることを率直に言ってもらうことで、それを解決するためのソリューションを作ることができます。課題を発見し、解決することで前進し続けていきたいです。

加えて、提供するソリューションも、お客様が無理せずできることにしたいんですよね。例えば、寄付によって子どもにご飯を提供する「子ども食堂」という取り組みがあります。これを企業が行い、献立の違いによって子どもの体調の変化を観測すれば、子どもに良い影響を与える栄養素を見つけることができるかもしれません。それを元に商品開発をしたら、風邪をひく子どもを減らせるかもしれませんよね。企業にとっては寄付で税金対策やCSR活動もできる一方で、マーケティング活動にもなるんです。こんな風に、無理せずマーケティングをして、社会的な課題を解決できるような仕組みを作れればと思っています。

自分が組織の伸びのボトルネックにならないよう、今は専門分野だけでなく、政府の発表資料にも目を通すなど、分野に関係なく勉強しています。学んだことによって的確な課題を発見し、その解決法をプロダクトにして、社会全体に広めていきたいですね。

 

Private talk

趣味は立ち飲み屋を探すことです。東京に来ていろんな店をぐるぐる回る中で、立ち飲み屋が安くて美味しいことに気付いたんです。座って飲む店と比べると、値段が半分以下になることも。無駄なコストをかけていないし回転率がいいので、質の良いものを安く提供できるんですよ。今のオフィスの近くにも良い立ち飲み屋があって、仕事終わりに一杯飲んで帰ることが多いです。お酒は数えきれないほど種類があり、酒屋に行くたび新しい発見があるところが好きですね。

吉田

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