年間1億円をコストカットできた企業も。採用活動のオンライン化でもたらされるメリットとは。

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2020.05.27
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新型コロナウイルス感染症対策のため、多くの企業が可能な範囲で業務の非対面化を進めており、採用活動もその例外ではありません。そんな中、採用面接をWeb上で行える動画面接サービスが注目を集めています。株式会社ZENKIGENが提供するWeb動画面接サービス「HARUTAKA」もそのひとつ。すでにソフトバンクや三菱地所など大手企業にも導入されています。Web動画面接の導入により採用活動や企業はどう変わるのか。株式会社ZENKIGEN 代表取締役CEO 野澤比日樹氏にお話を伺いました。

※このコンテンツは、2020年2月26日に対談・インタビューしたものです。

野澤 比日樹(のざわ ひびき)
株式会社ZENKIGEN 代表取締役CEO
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野澤 比日樹(のざわ ひびき)
1998年株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。1999年創業期の社員数10人未満の株式会社サイバーエージェントに入社し、大阪支社立ち上げ、社長室、事業責任者として、マザーズ上場を含む同社の急成長に貢献。2011年ソフトバンクアカデミアに外部1期生として参加するなか、孫正義会長から声をかけられソフトバンクグループ株式会社の社長室に入社。電力事業であるSB Power株式会社の設立、日本初の森林寄付型の「自然でんき」を発案・事業化から販売まで事業責任者として従事。2017年10月株式会社ZENKIGEN創業。

採用担当者と候補者に寄り添ったユーザビリティ

―まず始めに、御社が提供するサービスについて教えてください。

企業が採用面接時に使えるWeb動画面接サービス「HARUTAKA」を提供しています。HARUTAKAには離れた場所にいる応募者とオンライン上で面接ができる「ライブ面接」とあらかじめ企業が設問を決めておくことで、応募者が都合の良い時間に面接動画を撮影して送ることができる「録画動画面接」があります。また、候補者管理や面接録画機能など採用活動に必要な機能も揃っています。

ご活用いただく中でもっとも多いのは新卒採用ですが、最近では中途採用や店舗のアルバイトスタッフ採用にも導入いただくケースも増えてきました。

特にアルバイトスタッフは、申し込みから面接日まで数日でも空いてしまうと候補者が面接に行かなくなるケースも非常に多いと耳にします。採用広告費を無駄にしないためにも候補者にとって待ち時間の短いオンライン面接は有効です。
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―特にこだわって作り込んだサービスの特徴を教えてください。

採用担当者と候補者、両者の使いやすさを追求し、無駄な機能を極力削ぎ落としていることです。

採用業界にはすでに流通している採用管理システムがあるので、後発のシステムが多くの機能を搭載しすぎてしまうと、かえって機能が多いことで操作性が悪くなり、利用者を戸惑わせてしまうことになります。

そこで、Web面接に最低限必要な機能のみを残し、質問設計などWeb面接のためだけに必要な項目以外は既存の採用管理システムと連携出来るようにしました。

新しいシステムを作る際は、あれもこれもと余計な機能をつけたくなるもの。ただ我々は戦略として、余計なものを削ぎ落とし、採用担当者がいかにスムーズに既存のシステムと連携できるかにこだわりました。

一方、応募者にとっての使い勝手の良さにも注力しました。今の学生は自撮りに慣れているとはいえ、面接となると緊張する場面もあるかと思います。そこで動画撮影前に、あらかじめ録画した人事担当者の映像を流し「緊張しないでくださいね」「撮り方はこうしてくださいね」というガイダンス動画を流せる仕様にしています。候補者の心理的なハードルを下げ、普段通り話していただくための工夫です。

ハードルを下げると応募率の向上に繋がり、応募率が上がれば求人広告費用も下げることができます。実際に我々のお客様の中では、出張費なども含めると年間で1億円ほどコストカットができた企業様もいらっしゃいます。
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時代に即した動画面接プラットフォームを創る

―なぜ人材業界で起業し、採用サービスを開発されたのか、経緯を教えてください。

私は1998年に社会人になり、それ以来キャリアを歩んでいました。ところが東日本大震災が起こり、自らのキャリアを見つめ直す機会が出来ました。当時子どもが生まれたばかりだった私は、子どもたちが生きる未来のために役に立ちたいと思ったのです。自分にできることはないかと模索するなか、縁あって再生可能エネルギー事業の立ち上げに関わることになりました。

携わっていたプロジェクトがひと段落し、42歳になったとき、起業に挑戦することにしました。ミッションとして掲げたのは、輝いている大人の姿を見て、子どもたちが将来を楽しみに思う社会を創りたいと思いました。そのためにすべきことを考えた時、睡眠以外で、大人が一番時間を使うのは仕事。その仕事が受動的な「やらされ仕事」なのか、能動的で「自らが活き活きしている仕事」なのかで、子どもたちが受け取る印象は全然変わると感じたんです。そこで、取り組む事業は人事領域から始めることにしました。

具体的なサービス内容はビジネスのセオリーに則って、今後伸びるであろう分野はどこかを考えるところから始めました。ITが発達した今でも自分が学生だった20年前から大きな変化のない採用領域でのテクノロジー活用を実現したいと考えました。

労働人口も減っている中、より生産性高く採用活動・就職活動が行われなければ、企業も働く人も立ち行かなくなってしまいます。
4G回線が普及しスマホを持つことが当たり前になり、若い人たちが自撮りに慣れている昨今、動画面接はスムーズに受け入れられるのではないか、と思ったんです。人事、候補者双方に受け入れられるタイミングだと感じていました。そこで、資金調達を行い、事業を立ち上げました。
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「紙だけでは優秀な人材を落としてしまうのでは」という課題を解決

ー印象に残っているお客様のエピソードを教えてください。

株式会社 USEN NEXT-HOLDING様の事例が印象に残っています。「就職活動はフェアなものでなければいけない」という考え方で、企業と学生さんがフェアに向き合える環境を生み出すことを目的にHARUTAKAをご導入いただきました。
具体的には、1次面接では録画面接を行い、2次面接からも学生自身がオンラインか対面かを選べるようにされました。それによってオンラインだったら面接を受けてみようと考える地方在住の候補者も増加したと聞いています。候補者は2次、3次と面接を重ねるうちに志望度が上がり、その結果、内定承諾率が前年比1.5倍になりました。

自社に合った学生の採用に貢献できた例もあります。例えば、JIG-SAW株式会社様との取り組み。人事部の方が2名しかいらっしゃらなかったので、エントリーシートの段階でかなり人数を絞らないと回らない状況でしたが、紙だけでは優秀な人材も落としてしまっているのではという課題感を持たれていました。
そこでHARUTAKAを活用して候補者の方に動画もセットでエントリーしてもらうことにしました。結果、その年の内定者は従来の選考基準では面接に進んでいなかったであろう人が全体の1/3にものぼりました。

エントリーシートだけでは不合格だった人でも動画だとカルチャーフィットしていると感じるケースもあり、これまでにも増して自社に合った人材の採用が可能になったとのこと。新しい選考フローで選考を進んだ候補者の評判も良く、社内でもこの取り組みの成果を実感いただけているそうです。効率化はもちろん、採用の質自体も向上できたのではと思っています。

世の中の大きな変化に応えるためのサービス提供を

ー新型コロナウイルス感染症の影響から業務のリモート化を余儀なくされる企業は多いと思います。HARUTAKAの需要も伸びてきているのでしょうか?

そうですね。通常の数倍のお問い合わせを頂いています。少し前までは我々からの営業がほとんどで、引き合いがあっても「ちょっと検討したいので話しを聞かせてください」といった連絡がほとんどでした。しかし最近は比較検討を済ませた上で、「HARUTAKAに決めました」とすぐに導入される例や、面接だけでなく説明会も含めて活用していきたいというお客様が多いです。

採用プロセスのオンライン化を支援するため、Web説明会のやり方や具体的なサービス、自社以外の動画面接サービスなどをまとめたホワイトペーパー「採用プロセスにおけるオンライン活用のポイントと、短期立ち上げ支援のご案内」を出したところ、数日で1,000数社からダウンロードがあり、取材をしたいと連絡を頂くこともありました。さらに、以前一度お話をさせていただき、まだ自社では使いこなせないから、と導入を見送られたお客様からも再度ご連絡をいただいたり、これまでオンラインの面接自体を検討されていなかった企業様も、これまでの採用スタイルを大幅に変更し、導入に踏み切るケースも増えています。

社会的な要請により一時しのぎにリモート採用のシステムを導入する、というよりは、採用の効率化や質の向上を図るためには動画面接が有効で、社会的にも新しい採用フローの方が良いよね、と意識が変わりつつあるのではと思っています。社内でもこの状況はブームではなくトレンドで世の中が大きく変わるのだという共通認識を持っています。
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―最後に、今後のビジョンを教えてください。

今後、社会的にはオンラインで行う仕事の割合はどんどん増えると思います。AIやロボットが活躍する領域も広がっていくでしょう。そうなった時、本来人間しかできない、かつ人間が行うべき仕事とはなんだろうかと考えるシーンも増えてくると思います。

その答えのひとつが共創だと考えています。共に働き、創造することこそ人間の行える最も価値のある仕事だと思っています。そして、共創を実現するため、コミュニケーションの質を高めたり、良い場を作るサポートをするのがテクノロジーの役割なのだと思っています。

我々は、「テクノロジーを通じて、人と企業が全機現できる社会の創出に貢献する」というビジョンの達成のために邁進していきます。今後もプロダクトを通じて、多くの人が「自分の能力を最大限発揮できる」社会の創出に貢献していきたいと思います。
 

■サービス紹介
企業の採用力を強化する動画面接プラットフォーム「HARUTAKA(ハルタカ)」

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パンくず

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