――津田さんの経歴と現在の仕事内容を教えてください。
アンドデジタルの津田と申します。今は営業責任者としてマネジメントと新規事業の開発を主に手がけています。もともとは2016年にソウルドアウトに新卒入社して広告の運用業務に携わっていました。3年目で運用マネージャー、部長補佐になって大きな予算がつく案件にも関わるようになりました。ただ、僕としては中小企業のご支援をしたいという思いがあったので、4年目のタイミングで、運用から営業までを一人でやる専門部署を立ち上げました。
2021年4月にソウルドアウトがカンパニー制に移行して企業のDX推進を専門に行う新会社(アンドデジタル株式会社)を作ることになったので、営業責任者として出向し現在に至ります。主にデジタルを活用した営業活動、マーケティング活動でBtoB企業の売上を伸ばすご支援をしています。BtoB企業は無理して広範囲に広告を打つよりもDXによる局地戦の方が効率的で、それは僕が常々支援したいと感じていた中小企業にも有効なんです。
――営業責任者としてDX支援をする中で、どのようなスキルが身につきましたか?
二つあります。この一年間、新規営業をする中で身についたのはクライアントの挑戦意欲を引き出すスキルです。それまでの広告運用では主にマーケティング部の担当者とお話をする機会が多かったのですが、会社でDXを推進するという話になると経営戦略にも関わってくるので、担当者の判断だけで進めることはできないんですね。そうなると経営陣の方とお話しする機会も必然的に増えてきますので、そこでいかにDXへ挑戦する意欲を引き出すかが大事になります。
もう一つは走りながら事業を進めるスキルです。新規事業は本当にファジーと言いますか、不確定要素が多くある中でどうやって解を見つけていくかが求められます。そういった考え方、事業の進め方も身についたと思います。
――最初にお話しいただいた「クライアントの意欲を引き出す」スキルについて、具体的なエピソードがあれば教えてください。
僕らはまずクライアントのビジネスの最高形を定義します。そして「絶対にそれを実現するんだ」という熱量を引き出すんです。クライアントから、法人営業の受注率が低いため改善したいというご相談をいただいたことがあります。それまでは特にデータを活かすこともなく、なんとなく「頑張れ」とか「もっと数をこなそう」とかで乗り切ろうとしていたようですが、それで改善するはずもなく。
そこで僕たちが最高形を定義して、「現状とこれだけギャップがあるので、デジタルを活用してその差を埋めていきましょう」といったお話をしました。しかし、そこに現場がついてこられるかがわからないといった理由で案件が進みませんでした。けれどもそこで諦められず、頂いた不安や課題に対し具体的なギャップの埋め方とともに、そこに至るまでのプロセスを再提案したところ無事に案件が進み、受注をいただきました。
――ではもう一つの「走りながら解を見つけていくスキル」ですが、新規事業をやるには常にこういったスキルが求められると考えてよろしいのでしょうか?
そうですね。時代の流れも速く、競合も同じ戦略を取りがちになりますので、しっかりと戦略を練って実行していたのでは間に合いません。ですので、実際に顧客と対話をしながらミニマムなプロダクトを作っていくスキルが重要になってきます。最初のうちはクライアントに提案しながらニーズを探って、それにあわせてケイパビリティを準備していくという進め方をしていました。