ーソウルドアウトとベクトル社は、8月に包括的業務提携を結びました。両社はどんな形で連携していくのでしょうか。
荒波:ソウルドアウトは、地方、中小・ベンチャー企業の困りごとを解決する会社です。真っ先に取り組んだのがデジタルマーケティングを用いた集客の支援で、その後、人材やITの領域にも支援の範囲を拡大してきました。しかし、マーケティングという観点で考えた時、インターネット広告はその一部にしかすぎません。以前から、お客様のさまざまなニーズに対応するためには、インターネット広告とセットでPRの支援も行うべきだと考えていました。
実際、私たちは全国の様々なお客様と接していますが、皆さんあまりPRを活用できていない現状があります。情報があふれる現代において、広告だけでは効果が出にくくなっているのは事実。PRとインターネット広告の両方を使って情報を届ける重要性が増しています。そのため、今回ベクトルさんと一緒に地方、中小・ベンチャー企業の支援をしていくことにしました。ここからの可能性は非常に大きいと思っています。
ーPRとは具体的にどのようなことを指すのか、ベクトル社ではどのような事業を展開しているのか教えてください。
長谷川:PRと言われても、具体的に何なのか掴みにくい言葉ですよね。
弊社では「よいモノを広め、人々を幸せに」というミッションを掲げているのですが、ブランド・商品・サービスを生活者に届けるためのサポートを行っています。よいモノは世の中にあると思うのですが、生活者の方々に伝わらなければ意味がありません。なので、企業が持つ情報を、各種メディアに取り上げられやすい形にコンテンツ化し、掲載、オンエアしてもらい生活者に届けるということです。
たとえば、新商品発表に関するご相談を受けると、情報発信の戦略立案を行います。新聞・雑誌・テレビの情報番組・WEBニュース等に取り上げてもらうためのPRイベントから、SNS上での拡散を狙ったキャンペーン、オフラインでの体験イベントまで、幅広くサポートをさせて頂いてます。「モノを広める」という視点で様々なコミュニケーション施策を提供しております。
ーPRを行うとき、大企業と中小・ベンチャー企業で違いはありますか。
長谷川:基本戦略は変わりません。企業に眠っている情報を掘り起こして、メディアが興味を持つような情報に翻訳する。一方的な情報発信ではなく、メディア、その先の生活者に伝わりやすい「コンテンツ」にすることです。それは企業の規模に関わらず同じですね。変わるのは戦術の部分です。大手は全国発信が多いですが、中小・ベンチャー企業は全国よりもローカルに特化して発信したい場合が多い。たとえば地方で新しくオープンしたスイーツショップは、全国よりも地元の人に情報を発信したい。そういう場合は、新聞なら地方面を使うとか、地元テレビ局で情報発信を行うなど、戦術を変えますね。
地方、中小・ベンチャー企業の皆さんも、情報を発信したいという思いはあるはずです。一番のネックは「どうすれば良いのか分からない、何から始めれば…」ということだと思うんですよね。何を準備してどのようにしたらメディアに届くのか、わからない方が多いのではないかと思います。広報経験者を採用するにも、東京に集中してしまってなかなか人材がいない場合が多い。そういう時に、我々を使っていただきたい。たとえば弊社のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」などは比較的低価格で使っていただけるので、ハードルを下げてPRを始めていただけます。